産業用ロボットを無線通信により高速に制御するために,無線LAN規格IEEE 802.11をベースにAPとSTAの開発を行う.
図5は提案システムのシステム構成を示している.
STA側にはAPから受信した無線信号に対する処理を行うWLAN LSIチップと,受信信号の情報を元にロボットへの指示を行うマイクロコントローラがある.
我々は最も重要となるWLAN LSIチップ内に導入する専用のASICの開発を主に行う.
さらに,nsecオーダの高精度な時刻同期を行うために,独自に開発する時刻同期プロトコルを導入する.
提案システムで可能なこと:
・現行の有線システムよりもコストの低減が可能
・産業用機器の設置がし易くなる
→機器の配置変更や,工場移設がコストゼロで可能
・高速な制御通信が可能
→1台のSTAあたりの通信時間:100[µs]以内
・高精度な時刻同期を行うことが可能
→nsecオーダの時刻同期
・一般のWLAN端末との通信が可能